2013年4月20日土曜日

第2回電王戦第5局でA級棋士三浦八段が負けたのは何を意味するのか?

人間とコンピュータの5対5の団体戦、第2回将棋電王戦第5局のGPS将棋と三浦弘行八段の
対戦は、コンピュータ側の勝利で終わった。

これがどういう意味なのか、将棋にそれほど詳しくない私はわからなかったので、ちょっと
調べてみた。疑問の主な観点は下記。

・三浦八段は棋士の中でどういう位置づけの人なのか(順位的な意味で)?
・A級棋士って何?
・八段って何?
・GPS将棋は後手番、相矢倉の形で勝ったが、先手、後手の公式戦の勝率に違いはあるのか?


▼三浦八段は棋士の中でどういう位置づけの人なのか(順位的な意味で)?
非公式のものではあるが、棋士の公式戦を元にレーティングを付けているサイトがあり、これが
棋士の強さを測るには一番分かりやすそう。
http://homepage3.nifty.com/kishi/ranking2.html

これによれば、三浦八段は電王戦5局の前日、2013年4月19日時点で20位、レート1728となって
いる。補足しておくと、レーティングというのは将棋倶楽部24などでも使われている強さの指標で、
1500がその集団(今回で言えばプロ棋士)の中での平均的な強さになる。詳細は下記。
http://homepage3.nifty.com/kishi/rating.html

このレーティングを根拠にするならば、今回勝ったGPS将棋はプロ棋士トップ20位以内の実力を
持っている可能性があることになる。しかも今回、プロに悪手はなかったとの棋士側の
認識なので、ベストを尽くした結果というのは大きい。


▼A級棋士って何?
電王戦を見ていて、出場者のプロ棋士の中で、この三浦八段は別格という評価が多かった。
A級棋士というのが相当の意味を持つらしい。A級棋士が何なのかは下記が詳しい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%A0%86%E4%BD%8D%E6%88%A6

これによると、つまりは名人戦にまつわるリーグ戦の組のことで、プロ棋士の強さのランクは
公式にはこの順位戦の結果によって測られることが多いようだ。リーグ戦の組は、
A級、B級1組、 B級2組、C級1組、C級2組の計5組があり、10ヶ月のリーグ戦の結果によって、
それぞれ上位2,3名が昇級、降級する仕組みなので、過去1年間の強さを表す重要指標になる。

このリーグ戦の最上位A級には10人しか在籍が出来ないので、名人1名+A級棋士10名で、
この順位戦をベースにするなら、三浦八段は上位11名以内に入る実力者ということになる。
なお、この順位戦の2013年の順位は、
名人   :森内俊之
A級1位:羽生善治
A級2位:渡辺明
A級3位:三浦弘行
A級4位:谷川浩司
ということで、4位の実力者ということになる。
これ、つまり順位戦ベースでいうと、三浦八段より強いのは、森内名人と羽生3冠
(王位・王座・棋聖)と渡辺明3冠(竜王・棋王・王将)しかいないことになる。
全員タイトルホルダー・・・


▼八段って何?
段位に関しても指標はどうやら、名人戦・順位戦がベースになっているようだ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%86%E6%A3%8B%E3%81%AE%E6%AE%B5%E7%B4%9A

A級棋士やB級棋士というのが「今の」順位を表すのに対して、段位は過去最高の順位を
表す指標になっているようだ。細かい規定はいくつかあるものの、基本的には、

四段:C級2組(=プロデビュー)
五段:C級1組
六段:B級2組
七段:B級1組
八段:A級
九段:名人

となっているので、三浦八段というのは、A級リーグ経験があるのと大体同じような意味になる。
ちなみに今回の電王戦第4局でコンピュータと引き分けにした塚田九段は、1990年代にA級棋士
だった人で、名人になったことはないが、八段昇級後250勝するという勝数規定による昇段で
九段になったようだ。


▼GPS将棋は後手番、相矢倉の形で勝ったが、先手、後手の公式戦の勝率に違いはあるのか?
ちょっと相矢倉での勝率まではわからなかったが、下記によると、後手の勝率はプロの公式戦
では5割を切っているようだ。
http://homepage3.nifty.com/nneo/chart.html

将棋年鑑に収録されたデータを元にしているようだ。これによると、先手勝率は
平成15年:.541
平成16年:.559
平成17年:.536
平成18年:.525
平成19年:.540
平成20年:.512
となっており、将棋に関しては、若干先手が有利になっているようだ。


▼結論
結論としては、非公式のレーティングベースで20位、公式の順位戦ベースで4位の三浦八段に、
不利な後手で勝ったGPS将棋はプロの中でもトップレベルの実力を持っているということに
なりそうだ。


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