2012年12月20日木曜日

「ダイエット依存症」のまとめ、感想


著者:水島広子 慶応医学部出身の精神科医で、「対人関係療法」が専門の人

▼気になった部分を中心にまとめ
ダイエット依存症は医学的病名ではないが、依存症として考えると腑に落ちる。
依存症というのは不安、ストレスなどの「本来の問題」があって、それを「解決してくれそうな感じ」を与えてくれるきっかけから始まる
WHOが提唱する「依存症」の3要素
・それを求める要求が抑えがたい
・他の行動よりも優先されるようになる
・禁断症状がある
ダイエット依存症の人のダイエットは不安による強迫行為によるもの
下剤はダイエット効果がないだけでなくカリウムなどの電解質のバランスを崩す
ダイエットを単にやめて食べたいように食べ始めると、「太りやすい時期を経てやがて落ち着く」という流れをたどる
痩せるときは筋肉から減り、太るときは脂肪から増えるのが体の仕組み
ダイエット依存症は他人からの評価を気にする人が陥りやすい。「良い子」ちゃんがその典型
他人からの評価を気にする人は幼少時に条件付きの愛情を受けていた人がなりやすい
痩せたがりは自分嫌い
こだわりととらわれの違い。とらわれは強迫観念によって行なっている状態。ダイエット依存症はとらわれの状態
ダイエットの成功事例
最初は食事制限のダイエットをしていたが、体重が減ったかどうかがいつも気になったり、友人の食事の誘いを断ったりとダイエット中心の生活になってきていることに不安を感じ、方針を転換。からだに良い物を食べ、運動をするダイエットに変更。食べ物の量にはこだわらず、玄米等質の良い食べ物を食べることで3キロ減らすことに成功。運動もすることで筋肉質になった。著者はこのタイプが唯一のダイエット成功パターンだと考えている。

▼感想
ダイエットは体重を減らすことよりも減った体重を維持することのほうが難しいと思う。
この本では医学的には定義されていない「ダイエット依存症」という概念を、他人からの評価が気になってしまう人が強迫観念によって行うダイエット行為という観点で説明をしていた。
確かに周りから見ると別に太ってないし、もうそれ以上痩せる必要ないだろ、という人が更に痩せようとしているケースを女性で見かけたりするが、きっとそれはこうした強迫観念から来ているのだろう。
そしてそれが悪化すると拒食症や過食症といった摂食障害になるという感じ。
個人的にはダイエットをやめた後の流れの「太りやすい時期を経てやがて落ち着く」というところが特に印象に残った。ダイエットをどこでやめるのかは人それぞれだが、やめた後にこうした現象が起きることを想定した上で、食べるものを変えたり、運動をしたりして体質改善に移行していく必要があることがわかった。それと目標体重があるなら一旦それを下回る状況にして、ダイエット完了直後はしばらくカロリーに気をつける必要がありそうだ。著者の結論とは異なるが。