2013年2月12日火曜日

ローマ法王(教皇)になる方法を調べてみた

ローマ法王のベネディクト16世が2013年2月28日をもって退位するそう。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20130211-00000039-jnn-int

基本的に一度選出されると死ぬまで法王でいられるようで、自ら退位をするのは
1415年のグレゴリウス12世以来の約600年ぶりとのこと。

ところで、私も含め、特にキリスト教に馴染みのない人からすると、ローマ法王って
どうやって選ばれるのか、どうしたらなれるのかというところが全くわからないはず。

天皇もイギリス国王も、基本的に子供が継承する仕組みなので、これらに関しては
我々一般人がなることは出来ないわけだが、ローマ法王はどうなのだろう?

いろいろ調べた結論としては、我々一般人でも原理的にはなることは可能な感じ。
ローマ法王の選出方法は、日本の総理大臣の選出方法に近い。すなわち、
国民の代表としての国会議員がいて、彼らの投票によって首相が選ばれる仕組みに
似ている。

ローマ法王の選出方法に関して詳しいのは、下記wikipediaだが、非キリスト教の人にとって
馴染みの薄い言葉が多くてリンクを沢山辿らなければならないのでかいつまんで
説明をしてみる。
ローマ教皇(wikipedia)
コンクラーヴェ(wikipedia)

ローマ法王の選出方法を一言で言うと、
「枢機卿団による選挙「コンクラーヴェ」で3分の2以上の得票を得ることによって選ばれる」
のだが、これだと全くわからないので順に説明をする。


まず、枢機卿(すうききょう)って何?という話になるが、これは先程の日本の首相選出の
仕組みに例えると国会議員のようなものだ。法王を選ぶ選挙である「コンクラーヴェ」の
参加資格を持つ人達で、法王の次に地位が高い。大体200名くらいいるが、法王の
選挙権を持っているのは80歳以下の人に限られるので、選挙に参加できるのは100名強くらい。

枢機卿は司教枢機卿と司祭枢機卿と助祭枢機卿の3つがあるようだが、現実には司教から
選ばれることが多いようだ。で、ここでもまた疑問が生ずるわけだ。
司教、司祭、助祭って一体何よと。

これも俗世の下衆な例えをしてしまうと、エリアマネージャー、店長、副店長の関係に近い。
まず司祭というのはいわゆる牧師だ。○○教会の管理をしている人で店長のようなもの。
助祭は司祭を手伝う立ち位置の人なので副店長とかそんな感じの人。

で、司教だが、カトリックには司教区というのがあって、日本で言うと16にわかれたエリアが
ある。このそれぞれの教区の教区長が司教だ。

まとめると、司祭が管理する教会があって、その教会が属する司教区があって、その司教区
を管理しているのが司教というわけだ。

ということで、一般的には教会のエリアマネージャーこと司教の中から法王が枢機卿を任命し、
コンクラーヴェへの参加権を持つことになるわけだ。


次にコンクラーヴェについて。その前に法王になることのできる資格から。法王に選ばれる
資格を持つものはカトリックの男性信徒でありさえすればよい。これが世襲制の他の王様
の選出資格との最大の違いだ。ただし、現実には先に書いた
助祭→司祭→司教→枢機卿
という、いわゆる身分関係が存在しているため、枢機卿の中から選ばれるのが一般的だ。

ローマ法王を選ぶ選挙である「コンクラーヴェ」はバチカン市国のバチカン宮殿の
システィーナ礼拝堂で行われる。基本的にローマ法王は終身制なので、現ローマ法王の
死後に行われることが多いのだが、今回のように自ら退位した場合はその後に
コンクラーヴェが行われることになる。

コンクラーヴェは基本的には枢機卿のみがシスティーナ礼拝堂に缶詰になって外部との
接触を一切断った(ネットも電話も禁止)状態で行われる。不正・買収・圧力などを阻止
するためだ。

投票は無記名で行われ、特定の人が3分の2以上の得票を得られるまで何度でも行われる。
100名以上の枢機卿、実質候補者がいる中で、これまた100名以上の枢機卿、投票者が
いてその中で3分の2以上の得票を得ることがいかに難しいかは想像に難くない。

投票1日目は午後に1回だけ、2日目以降は午前2回、午後2回の計4回の投票が行われる。
3日目になっても決まらないと1日投票のない日が入って、また次の日から午前2回、午後2回の
投票が続くという流れ。

各投票で法王が決まらなかった場合には投票後の投票用紙を焼却する際に黒い煙を出し、
決まったときには焼却の際に白い煙を出すことで外部への合図にしている。


ということで、間違いなく言い古されまくっているだろうが、ローマ法王(教皇)になる方法を
まとめると、「枢機卿になって、枢機卿同士の根競べに勝つ」という下衆な結論で、今回の
調査を終えようと思う。