2016年1月21日木曜日

ハリス・ツイードとは何かを素人が納得いくまで調べてまとめてみる

どうも最近ハリス・ツイード(HARRIS TWEED)というものが流行っているらしいんだけど、
それが何なのか全く知らない状態で調べ始めると、結構情報が散っているなという印象を
受けたので、ゼロから納得行くまで調べて、ここにまとめておこうと思う。

ハリス・ツイードというのはハリス島周辺で生産される、ツイードという羊毛を使った織物の
ことで、ハリスという地名と、ツイードという織物の種類の2つで構成された言葉である。
ということで、まずはツイードとは何なのかというのを詳しく調べてみようと思う。

最初にとりあえず見てみるのはwikipediaという人も多いと思うが、残念ながら、日本語の
wikipediaの説明はボリューム不足ではっきり言って使えない。
ツイード - Wikipedia
なので、イギリス発祥の生地である以上、英語の文献の方が詳しいはずなので、
英語版のwikipediaでのtweedの説明をベースにまとめていこうと思う。
Tweed (cloth) - Wikipedia, the free encyclopedia

これによると、ツイードとは起毛したウールの織物のことで、織り方は、綾織りのものや
杉綾織りの模様が多いとのこと。綾織りや杉綾織りに関しては下記のような模様のこと。
ちなみに綾織りは英語でtwill(ツイル)、杉綾織りは英語でherringbone(ヘリンボーン)という。
ヘリンボーンとはニシンの骨のこと。

ツイードはイギリスの伝統的な織物で、水を弾き、丈夫なことが特徴のため、上流階級の
人たちが、狩りなどの服として使用することが多かったようだ。 そして今では自転車乗りが
ツイードの服を着たりするとのこと。


ツイードの語源
ツイードはスコットランドの綾織りの布であるTweelから来ているのだが、当時のロンドンの
商人は、イングランドとスコットランドの境界を流れるツイード川から来ているものと勘違い
していたらしい。ツイード川とは下記の通り。
ということで、ツイードに関してはスコットランドのウールを使った伝統的な柄の織物
ということで、大体わかってきたかと。

では続いてハリスについて。ハリスというのは島の名前で、スコットランド最大の島であり、
イギリス第3の島のこと。英語ではルイスアンドハリス島(Lewis and Harris)と呼ばれている。
この島、下記の通り地続きになっているいわゆる一つの島なのだが、北側をルイス島と呼び、
南側をハリス島と呼んでいるので、合わせてルイスアンドハリス島となるようだ。

イギリスも含めた位置としては下記の通り。
なお、ルイスアンドハリス島はアウター・ヘブリディーズ諸島に属している島である。

これでだいぶ見えてきたと思うが、ハリス・ツイードとは、つまり今治タオルのような
単語構成になっているということだ。愛媛県の今治で作られたタオルが今治タオルで
あるのと同じように、ハリス島で作られたツイード生地のことをハリス・ツイードというわけだ。

ちなみに、今治タオルと同じように、ハリス・ツイードにも認定協会があって、そこで
認められたものだけが、下記の認定証が付いた生地となる。

ハリス・ツイード協会のページは下記。
http://www.harristweed.org/

さて、ハリス・ツイードだが、始まりはハリス島ではあるのだが、現在ハリス・ツイードとして
認められるものは、ハリス島で作られたものだけではなく、ルイスアンドハリス島が所属する
アウター・ヘブリディーズ諸島で作られたものが認定の対象になるようである。

アウター・ヘブリディーズ諸島で、ピュアバージンウールという脱脂されていない、原毛に
近いウールを染めたものを用いて手織りされたツイードがこのハリス・ツイードである。

ここまでの前提知識を踏まえて、下記の毛織物商社、マルキシの課長の渡邉佳文氏が
語っている記事を読むと、よりハリス・ツイードについての理解が深まるかと。いろいろ
調べた中ではこの記事が、もろもろの事情に関してわかりやすいと思う。
今さら聞けない、“ハリスツイード”初心者講座|ワードローブ(メンズファッションアイテム)|GQ JAPAN
この記事によると、いろいろな地域で生産されているツイードの中で、ハリス・ツイード
だけが日本で有名になった理由は、いっとき大量生産品が世に出回ったことで、名前が
広まったことに起因しているとのこと。現在はハリス・ツイード協会が品質を厳しく管理して
いるが、それ以前のときの話。


これらを踏まえると、ハリス・ツイードを購入する際は、本当にそれがハリス・ツイード
なのか、つまり協会の認定証があるかは確認したほうがよいだろうね。手作業でやって
いるということは、生産量にも限界があるだろうし、値段もそれなりにするはず。

あまりに安いものは、ハリス・ツイードではなく、単なる機械生産のツイードと疑ってみた
方がよいだろう。例えば今楽天で見てみたこれは、認定証があるからハリス・ツイードだね。
楽天だとハリス・ツイードのジャケット、2万くらいで買えるのか。そんなに高くはないねぇ。