2013年3月22日金曜日

シンクタンクがどうやって市場規模の算出を行なっているかを考える

前々から気になっていたが、シンクタンクが出している市場規模って信頼性が高いのか、
そもそもどういう根拠で計算しているんだよ、と思っていたのでちょっと検証してみる。

きっかけになったのはこの記事。
「女子会」の経済効果、全国で3兆7千億円に 活発な集まりが好循環生む
共立総合研究所の分析によると、女子会の経済規模は3兆6941億円に上るとのこと。

元ネタは下記。
株式会社共立総合研究所 主婦における女子会消費に関するアンケート

このシンクタンクの市場規模算出のキーになっているスライドは以下の3つ。

まとめると、このシンクタンクの親会社の銀行を訪れた主婦760名にアンケートを取って、
それぞれの年齢層の女子会参加率x一回あたりの女子会とその周辺の消費金額
を国勢調査の人口分布に広げて規模を出しているようだ。

なるほど、フェルミ推定と呼ばれるものとやっていることは変わらないわけか。
wikipedia フェルミ推定
フェルミ推定ってのは「トイレットペーパーは日本で年間どれくらい消費されるか」と問われて
1回のうんこで2m消費して、それを1日2回だから一人4m消費して、日本の人口は1.2億で
そのうちうんこの際にトイレットペーパーを使う人は3歳以上80歳未満の・・てな感じで
大体の数字を算出していく方法。 就活などでコンサルの面接でよく出される問題。

ちなみに、この大垣共立銀行の店舗一覧は下記の通り。
http://www.okb.co.jp/all/tenpo-list.html
岐阜と愛知に店舗のほとんどがあり、アンケートには東京・大阪の人は含まれていない。

だから、調査結果の偏りとして考慮すべき点は、
・あくまで岐阜と愛知の人を元にした結果で都心部のユーザー動向が反映されていない
・あくまでこの銀行に来た主婦に限られる。収入や動向が女子会をよくやる人とこの人達は
違う可能性がある
というあたり。特に店も多くて、服やグルメにお金を使うであろう都心部の人の動向が
反映されていないというのは結構大きなブレに繋がりそうだが、もし地方よりも都市部の人の
方が女子会に対してもっと多く消費をしているとしたら、この調査よりも数字は大きくなりそう。

結論として、シンクタンクがどうやって市場規模を算出しているかというと、

アンケートを取る母集団を確保する

アンケートで特定の消費動向を探る質問に回答してもらう

アンケートを年代別に集計し、それに国勢調査の人口分布を掛けあわせて算出

という流れで、アンケートを取って元データを作成するところ以外はフェルミ推定と同じ事を
やっていることがわかった。

過去問で鍛える地頭力 外資系コンサルの面接試験問題
大石 哲之
東洋経済新報社
売り上げランキング: 6,425
地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
細谷 功
東洋経済新報社
売り上げランキング: 1,289