2014年6月3日火曜日

トイレが1つしかないオフィスと2つあるオフィスで埋まる確率がどう変わるのかを考えてみる

カフェでもオフィスでも漫画喫茶でもなんでもよいのだけど、小さなところだとトイレが一つしか
なくて、しかもそれが埋まっていたりすることが多くてイライラするというケースに度々遭遇する
ことがあり、逆にトイレが2つあると両方埋まっていることがほとんどないのでそうしたストレスに
遭遇しないという経験もしていて、トイレがフロアに1つしかないのか2つあるのかで埋まる確率が
ぜんぜん変わるんじゃないかなぁと思ったのでちょっと確率について考えてみようかと。

正直私は確率の専門家でもなんでもないので、極力話を単純化して傾向を見ようと思う。

まず、トイレが1つしかない場合、トイレが埋まる確率はどうなるのかを考えてみる。
フロアにいる人数:n人
1人あたり1時間あたりのトイレ占有時間:t分
この2つの変数があれば答えは出そう。人によって1時間あたりの占有時間が違うから分布を
考慮して・・とかやってると専門的になって私の頭ではわからなくなってしまうので、そこは
みんな同じ時間専有するという仮定にする。とりあえず1人2分使う仮定で考えてみる。

そうすると、フロアに1人、つまり自分しかいないときにすでにトイレが埋まっている確率は0%、
フロアに2人いる場合、既にトイレが埋まっている確率は2/60、
フロアに3人いる場合、既にトイレが埋まっている確率は4/60になる。
つまり公式にすると、(n-1) * t / 60となって、人数が増えるほどトイレが埋まっている確率が
人数倍になっていくということがわかる。

なるほど、どうりでフロアに1つしかないトイレは埋まりやすいわけだ。これ例えば11人いたら
(11 - 1) * 2 / 60 = 1/3と、3分の1はトイレが埋まっているという状態になるわけだよ。


さて、ここからが本題というか、トイレが2つあるとトイレが全部埋まる確率がどう変わるのかを
考えてみる。
まず、フロアに1人、つまり自分しかいない場合はトイレが埋まっている確率は0%、
フロアに2人いる場合もトイレが全部埋まっている確率は0%。
片方のトイレは必ず空いているからね。

さて、3人以上人がいる場合の確率はどうなるのか?問題はこれよ。
確率の基本はパターンの数え上げなので、一旦基本に戻って考えてみるか。

ちょっと練習としてサイコロを2回振って同じ目が出る確率の計算の仕方から。
こんな感じで2回サイコロを振った場合、全36パターンに分かれるので、そのパターンの中から
(1,1),(2,2),(3,3),(4,4),(5,5),(6,6)の6パターンが該当し、それぞれの出現確率を足しあわせていけば
良い。つまり1/36+1/36+1/36+1/36+1/36+1/36=6/36の確率で2回振って同じ目が出る
というのが確率の考え方。で、これをトイレの問題に適用してみると・・、
フロアに3人いる場合、自分以外の2人目、3人目が両方トイレを使っている時がトイレが全部
埋まっているケースになるので、1人1時間に2分トイレを専有する場合は2/60 * 2/60 = 4/3600
の確率ということになる。

ではフロアに4人いる場合はどうなるのか?
2人目と3人目がトイレを使っているケースと、2人目と4人目がトイレを使っているケース、
3人目と4人目がトイレを使っているケースが2つのトイレが埋まるケースだ。
それぞれのケースを足していけばよいから、
2/60 * 2/60 * 2/60 + 2/60 * 2/60 * 58/60 + 2/60 * 58/60 * 2/60 + 58/60 * 2/60 * 2/60
= 2/60 * 2/60 * 2/60 + 3(2/60 * 2/60 * 58/60)
= 704 / 216000

もう一個掘り下げれば法則が見えてきそうな感じ。フロアに5人いる場合を考える。
トイレが2つとも埋まっているパターンの確率を足し合わせると、
2/60 * 2/60 * 2/60 * 2/60 + 2/60 * 2/60 * 2/60 * 58/60(1番左の棒の部分の確率)
+ 2/60 * 2/60 * 58/60 * 2/60 + 2/60 * 2/60 * 58/60 * 58/60(左から2番目の棒の部分)
+ 2/60 * 58/60 * 2/60 * 2/60 + 2/60 * 58/60 * 2/60 * 58/60(左から3番目の棒の部分)
+ 2/60 * 58/60 * 58/60 * 2/60(左から4番目の棒の部分)
+ 58/60 * 2/60 * 2/60 * 2/60 + 58/60 * 2/60 * 2/60 * 58/60(左から5番目の棒の部分)
+ 58/60 * 2/60 * 58/60 * 2/60(左から6番目の棒の部分)
+ 58/60 * 58/60 * 2/60 * 2/60(左から7番目の棒の部分)

これをまとめれば法則っぽいものが見えてきそう。まとめてみる。
2/60 * 2/60 * 2/60 * 2/60(棒の黒い部分が4つ)
+ 4(2/60 * 2/60 * 2/60 * 58/60)(棒の黒い部分が3つ)
+ 6(2/60 * 2/60 * 58/60 * 58/60)(棒の黒い部分が2つ)

これは確率の計算に関してはるか昔習ったような気がするコンビネーションの考え方を使うと
うまく公式化できそうな感じがする。それぞれのパターンを数えあげるるとき、結局は下記の
ことをやっていることに気がつくはず。
4人中4人が黒→4C4 = 4*3*2*1/1*2*3*4=1
4人中3人が黒→4C3 = 4*3*2/1*2*3=4
4人中2人が黒→4C2 = 4*3/1*2=6

これで公式が作れそう。フロアに5人いるときの計算式は、
4C4(2/60 * 2/60 * 2/60 * 2/60)
+4C3(2/60 * 2/60 * 2/60 * 58/60)
+4C2(2/60 * 2/60 * 58/60 * 58/60)

になって、フロアに4人いるときの計算式は、
3C3(2/60 * 2/60 * 2/60)
+3C2(2/60 * 2/60 * 58/60)
ちなみに3C2=3*2/1*2=3で4人のときに出した式と一致している。

ということで、フロアに6人いるときの計算式は、
5C5(2/60 * 2/60 * 2/60 * 2/60 * 2/60)
+5C4(2/60 * 2/60 * 2/60 * 2/60 * 58/60)
+5C3(2/60 * 2/60 * 2/60 * 58/60 * 58/60)
+5C2(2/60 * 2/60 * 58/60 * 58/60 * 58/60)
になるはずだ。7人以上いるときもこの要領で計算をしていけばよい。

ということで、あとはゴリゴリ計算をしていこう。
トイレが2つあり、1人1時間あたり2分トイレを使う場合にすべてのトイレが埋まっている確率。
1人:0%
2人:0%
3人:0.11%
4人:0.32%
5人:0.63%
6人:1.03%
7人:1.52%

トイレが1つあり、1人1時間あたり2分トイレを使う場合にすべてのトイレが埋まっている確率。
1人:0%
2人:3.33%
3人:6.66%
4人:10.00%
5人:13.33%
6人:16.66%
7人:20.00%

ということでフロアにトイレが1つしかないのか、2つあるのかでトイレが全部埋まっていて
ストレスを感じてしまう状況に遭遇する確率がまるで変わってしまうということがわかったと思う。

ちなみに、超基本的な確率の考え方に関しては大学受験用の参考書ではあるけど、この本が
一番わかりやすいと思う。というか、この本に書かれている事以上の小難しいことはもはや
覚えていないし、思い出すことすらできない。実用的にはこの本で十分じゃないかな。