河津桜を団体列車で見に行くというクラブツーリズムのツアーがあって、府中本町から伊豆の河津
まで専用列車で直行したんだけれども、そのときに今まで見たこともないようなほとんど地下
ばかりを通る裏線路を使って、府中本町から鶴見駅まで駅を見ることもなく辿り着いた経験が
衝撃的だったので、その時の経験を書こうと思う。結論だけ先に書いておくと、どうやら鉄ヲタには
比較的有名な、武蔵野南線、または武蔵野貨物線と呼ばれている線路を使ったようだ。
まずこの話をする前提として、府中本町という駅の説明をしておこう。
府中本町駅は武蔵野線と南武線の2つの電車が止まる駅になっている。
武蔵野線は、府中本町の北から南下してくる電車で、府中本町が終点になっている。
南武線は立川駅から川崎駅に向かって、ざっくり北西から南東へ降りてくる電車で、
途中で府中本町駅を経由する。つまり、神奈川方面を抜けて東海道線を通って伊豆の河津を
目指す場合、使う線路は南武線の線路一択になるはず、というのが鉄ヲタ以外の
一般人の認識ということになる。
で、ここからが実際に経験をしたことの流れ。府中本町から団体列車に乗っていたら、
本来通るはずの南多摩駅も登戸駅も通らず、なんかやたら地下ばかりを走っていることに
気づく。携帯の電波は切れまくりだ。何が起きているのかさっぱりわからない。
とりあえず、電波が通じる地上にちょこっと出たタイミングで現在位置を確認すると、
通っている場所が明らかにおかしい。その時の位置のログ(というか実際は帰りの電車で
記録したものだけど)を貼っておこう。
なんだこのルート?南武線で使っている線路とぜんぜん違うぞ!
わかりやすく、本来の南武線と京浜東北線の線路を使って府中本町駅から鶴見駅に
向かった場合と、今回の上記位置のログからわかった実際に使った線路の線を示そう。
府中本町駅からの鶴見駅までの黄色い線と青の線によるルートは、それぞれ南武線と
京浜東北線を使った本来のルートだ。一方私がフリーハンドで付け足した赤の線は、
今回の位置ログから分かった、駅を一切通らずほとんど地下ばかりを走るという、
明らかに南武線ではない謎の線路だ。なんだこれ?こんな線路あるはずないだろ・・。
地図にはなぜか描かれているけど。
ということで、「府中本町 鶴見 線路」とかそれっぽいワードで検索してみた結果、
どうやら府中本町駅-鶴見駅間には、武蔵野南線とか武蔵野貨物線と呼ばれている、
一般電車では使われることのない、貨物列車専用の線路があることがわかったのだ。
下記記事を読むとわかるかと。
きたへふ(Cチーム)のブログ「ホリデー快速鎌倉号で武蔵野南線(貨物線)に乗ってみる」
しまDiary「武蔵野貨物線に乗る!」
ヤフー知恵袋「JR東日本旅客鉄道 武蔵野線の府中本町駅~鶴...」
ヤフー知恵袋「府中本町~武蔵小杉まで南武線とは別の地下路...」
wikipedia「武蔵野線」
Naverまとめ「行楽シーズン到来!「路線図にない列車」に乗ってでかけよう」
ということで、この線路はどうやら武蔵野線に属する線路のようだ。
旅客列車では武蔵野線の終点は府中本町ではあるが、貨物列車用の線路が実は
さらに南に鶴見駅まで伸びていたということなのだ。
そういえば、たしかに武蔵野線を使った時に、貨物列車をなぜかよく見かけた気がする。
東京で貨物線を見かけることなんてあまりない。JRの東京における主要線路である
山手線や中央線で見かけたことはないし、八王子-高麗川間を走る八高線では見たことが
あるけれども、あとは南武線の川崎近くの南の方では見たことがある気がする。
ということで、あの武蔵野線でよく見かけた貨物列車は、実はこの武蔵野南線、
または武蔵野貨物線と呼ばれる線路を通ってきたものだったということだ。
そもそも武蔵野線自体元々は貨物専用線だったとのこと。ようやく事情を理解した。
武蔵野南線を通る列車に乗る方法は、一般的にはホリデー快速鎌倉号というものに
乗ることのようである。ただ、私のように府中本町を通る団体列車に乗るという方法も
あるようだ。興味のある人は、旅行社が企画している団体列車の旅を調べてみるのも
よいかもしれない。