2013年4月14日日曜日

初心者向けに特許の調べ方をまとめてみた

よく特許第○号みたいに書いてあるのを見かけるが、あれってどうやって内容を調べりゃ
いいんだという疑問から、ちょっと調べて見ることにした。その前に特許に関する基本事項を
いくつかまとめ。

■特許、実用新案、意匠、商標の違い
特許:発明、アイデアのこと
実用新案:考案、ちょっとしたアイデアのこと
意匠:デザインのこと
商標:商品名、トレードマーク、サービスマーク、ブランドのこと
これら4つは全て特許庁の管轄のようだ。ちなみに特許のことはパテント(patent)ともいう。
特許は出願から登録までの合計費用が144,500円かかるが、実用新案は63,600円と
特許より安い。


■特許の私的利用について
特許は、発明の方法を公開する代わりに一定期間業としての独占利用を可能にするものなので、
家庭内で私的に利用する分には特に問題はない。ざっくり言えば、それで商売しなければ自分で
使う文にはOKということだ。下記が詳しい。

ヤフー知恵袋「特許の私的利用について」
特許権が及ぶのは「業として」の実施に対してです。
「ここでいう「業として」は、広く「事業として」の意味であり、営利目的に限らず、公共事業、
公益事業も含まれます。なお、個人的な実施や家庭内の実施については該当しません。」

日本弁理士会「特許法上の「業として」に在する一考察」
特許権侵害となるのは「業として」特許発明を実施する場合に限られる(特許法第68条)。
間接侵害の場合も同様である(特許法第101条)。
この考察では業としてがどこまでの範囲を指すのかに関して論じている。
どこまでが「業」に該当するのか詳しく知りたい人は読んでもいいかも。
基本的に自分のための利用に関しては問題ない。


■特許を調べるサイト
特許電子図書館という、政府が運営する便利なサイトがあるようだ。無料で検索が可能。
http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl

ところがこのサイト、初心者にはかなり使いづらい。検索条件の設定や結果の項目が分類され
過ぎていて、どの条件で検索すればどこに目的の情報があるのかがさっぱりわからないのだ。
なので、いくつか典型的な特許の調べ方をまとめてみようと思う。


▼特許番号からの調べ方
特許第○号とかの記載があったときに特許番号から内容を調べる方法。正直これが一番
初心者にとって難易度が高いと思う。全然直感的じゃないからね。
例として、なんでもいいけど、最近見たリーブ21のサイトで特許取得とか書いてあったので、
これを例にして調べてみよう。


まず、特許電子図書館の特許・実用新案文献番号索引照会にいく。
http://www.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjbansaku.ipdl?N0000=110
ここで種別を「登録」にして、文献番号のところに特許番号を入れて照会。

そのまま、文献種別が公開、表示種別を全頁のままにしてリストボタンを押す。
左の文献番号のリンクをクリック。
上部の文献単位PDF表示ボタンを押す。
と、この手順で該当特許に関する全文を見ることができる。 特に最初の検索の際に
特許・実用新案文献番号索引照会のページにいって、種別を「登録」にして検索をするという
ところは、調べ慣れている人には当たり前かも知れないが、初心者には難しいと思う。


▼発明者からの調べ方
今度は個人や企業等、発明者から特許を検索する方法。これははちみつを固形化する特許を
持っている扇雀飴本舗を例に取ってみる。


まず、特許電子図書館の公報テキスト検索にいく。
http://www7.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjkta.ipdl?N0000=108
出願人/権利者の項目に発明者か企業名を入れて検索。
検索ボタンの隣に一覧表示ボタンが出るのでそれを押す。
検索結果の特許一覧の中から見たい特許の番号をクリック。
上部の文献単位PDF表示ボタンを押す。
と、この手順で該当特許に関する全文を見ることができる。


▼ 内容からの調べ方
内容から調べる方法は一番直感的でわかりやすいと思う。上記、発明者からの調べ方と
ほぼ同じ。
今度の例は「固形はちみつを作る方法」を調べてみるとして、とりあえず「はちみつ」で検索を
する。

まず、特許電子図書館の公報テキスト検索にいく。
http://www7.ipdl.inpit.go.jp/Tokujitu/tjkta.ipdl?N0000=108
要約+請求の範囲の項目に検索ワードを入れて検索。
検索ボタンの隣に一覧表示ボタンが出るのでそれを押す。
検索結果の特許一覧の中から見たい特許の番号をクリック。
上部の文献単位PDF表示ボタンを押す。
と、この手順で該当特許に関する全文を見ることができる。


以上、基本的にはこの3種類の検索方法で、職業として調べ物をする人以外は大体事足りるの
ではないかと思う。

ちなみに全文を見たいのではなく、単に概要を知りたいだけであれば、下記、初心者向け検索
から検索したいワードを入れれば、内容や発明者などから検索をすることができる。
http://www2.ipdl.inpit.go.jp/begin/be_search.cgi?STYLE=login&
特許番号から調べることはできない。