3勝1敗1引き分けの大差でコンピュータがプロ棋士を破ったことで話題になった第2回電王戦
だが、来年2014年3月から4月にかけて、第3回電王戦を行うことが決定したとのこと。
将棋電王戦:屋敷伸之九段が参戦 第3回は2014年春
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前回はプロ棋士側の大将として、三浦弘行八段(今年8月に九段に昇段)が出場したが、
次の第3回電王戦に関しては、屋敷伸之九段が出場するとのこと。
さて、ここで将棋をよく知らない私は、この屋敷伸之九段がどのくらい強い人なのかさっぱり
わからない。そこでちょっと調べてみることにした。
棋士の強さに関する基準としては下記の2つが分かりやすそう。
第71期名人戦・順位戦 A級
2013年度 棋士ランキング
まず上から。将棋には名人戦や竜王戦などいくつものタイトルがあるのだけど、1年を通じて
リーグ戦形式で戦う名人戦・順位戦の順位が公式には棋士の強さのバロメーターになって
いるようだ。プロ棋士の対局料などはこの名人戦・順位戦の成績が基準になっているとのこと。
棋士は、その強さに応じてA級リーグやB級リーグ1組などに所属してリーグ戦(順位戦)を
行い、そのリーグ戦の成績に応じてリーグが上がったり下がったりするという仕組み。
ちなみに一番上のリーグはA級で、そこで1位を取った人が名人への挑戦権、すなわち
名人戦への出場資格を獲得することになる。だから名前が名人戦・順位戦となっている。
この基準で名人を1位として考えると、三浦弘行九段は4位、屋敷伸之九段は6位の人になる。
もう一つ、棋士ランキングの方は個人の方がプロ棋士の公式戦データをレーティング計算して
ランク付けをしているものだ。こちらは非公式のものではあるが、先にも書いたとおり、
プロ棋士の公式戦には名人戦・順位戦の他にも竜王戦やら棋聖戦などいくつもあり、
プロ棋士の強さを正確に図るなら、本来そうした他の公式戦の成績も組み入れるべきだよね
という考えに基づいてこのランキングは作られている。
これによると、2013年8月20日のランキングでは、三浦弘行九段は16位、屋敷伸之九段は11位
となっている。このランキングで言うと、二人のレート差は20くらいしかないので、ほぼ同等の
強さを持っていると理解して良さそうだ。
最後に段位に関して、八段とか九段とか何を表しているのかということについて。
詳しくは将棋の段級の説明を見てもらうとして、基本的には順位戦の所属リーグに対応して
いると考えて良い。一番上のA級リーグに所属したことのある人は八段に、B級リーグ1組に
所属したことのある人は七段になるという感じ。
では九段はどうやったらなれるのかという話だが、これは以下の4つの条件のいずれかを
満たすとなれる。
・名人になったことがある
・竜王に2回以上なったことがある
・その他の公式タイトルを3回以上取ったことがある
・八段になってから250勝以上した
屋敷伸之九段に関しては棋聖というタイトルを3回取ったことがあるので九段になっている。
三浦九段に関しては2013年8月に勝数規定により九段に昇段している。
ということで、結論をまとめると、
・名人戦・順位戦の成績では三浦弘行九段は4位、屋敷伸之九段は6位
・公式戦レーティングベースだと三浦弘行九段は16位、屋敷伸之九段は11位(レート差は20程度)
・タイトル経験でいうと三浦弘行九段は棋聖が1回、屋敷伸之九段は棋聖が3回
ということで、同等レベルの実力者と見てよいかと。
あと、第3回電王戦からルールが
・出場するコンピューターはハードウェアを「ガレリア」に統一する
・プロ棋士は本番と同じソフトとハードで事前に練習対局できる
の2つの条件が加わったようで、レギュレーションはよくなったかなという印象。
だって前回はプロ棋士の棋譜はコンピュータ側はすべて手に入るのに、プロ棋士側は相手の
棋風がまったくわからないという理不尽な条件で戦っていたわけだから。
ちなみに「ガレリア」っていうのはPCパーツで有名なドスパラが取り扱っている、PC上級者向け
ゲーム用ハイスペックPCのブランドのこと。ソニーのVAIOだのNECのVALUESTARだの
ああいう一般のPCよりは良い部品使っているのではるかに性能は高いが、あくまでPCです。
ハイスペックゲーミングPC「ガレリア」