母の日のプレゼントに、母親に観劇をプレゼントしたかったので、今年はちょっと遅くなったが、
明治座で五月花形歌舞伎を一緒に観てきた。歌舞伎自体はものすごくよかったと思う。
それに関しては別途記事を書きたいと思っているが、ここでは観劇として歌舞伎を選ぶ際に
課題だと感じたことがあったので、それを記事としてまとめておきたいと思う。
初心者が歌舞伎を観ようと思った際に問題を感じるのは、他の演劇と比べて、料金が高いこと
なんじゃないかなというのが、今回数ある演劇の中で歌舞伎を検討した際に感じたことだ。
具体的に例を挙げてみよう。まずは劇団四季のライオンキングの料金から。
劇団四季のライオンキングのケースだと、1番いい席のS1席、S席の料金が9800円で、
2番目に良い席のA席が8000円、3番目のB席が6000円で一番安いC席が3000円となっている。
続いて宝塚歌劇の東京宝塚劇場の料金相場。
宝塚歌劇の東京宝塚劇場の例だと、1番良いSS席が12000円、2番目のS席が8800円、
3番目のA席が5500円で一番安いB席が3500円だ。
つまり、ディープなファン向けのSS席、S席を除いた席は、3000円から8000円前後の
価格設定になっており、そうした席がそれなりに用意されているのである。
私は演劇に関してディープなファンではないので、席を選ぶ場合は、ディープなファン
向けの1番いい席を避け、2番目にいい席で7000円~8000円前後の相場で席を探している。
初心者の感覚だと、よいかどうかわからないものに対して1万円以上の金額は出せない。
ということを踏まえて、歌舞伎の料金相場を見てみよう。まずは今回観た明治座の料金。
1番良い一等席が15000円、2番目にいい二等席が7500円、一番安い三等B席が3000円
ということで、一見すると料金設定自体は問題ないように見えるのだが、実際に予約を
してみるとわかるのが、二等席以下の席数が少なすぎて、これらの席を確保するのが
難しいのだ。現時点での席の予約状況を見てみよう。
この通り、一等席はまだ席に余裕があり、楽々予約可能だが、二等席以下の席が全く
確保できない。これは、公演開始前に1ヶ月先の席を予約しようとした際にもほぼ同じ
状況だった。
もう一例、歌舞伎座の歌舞伎のケースも見てみよう。
1番良い1等桟敷席が20000円、1等席が18000円、その次の2等席が14000円、
3階A席が6000円、3階B席が4000円となっている。ということで、2等席でも1万円を
超えている。3階席というのは末席という印象を受けるので、そこそこの席で観ようとすると、
1万円以上出す必要があるということになる。
これらから何が言えるのかというと、歌舞伎の席の料金設定に関しては、一番いい席で
観たいディープなファン以外の、ライトなファンのニーズを満たせてないのではないか
ということだ。
5000円以下のとにかく手頃な料金で観たいという人用の席はあるのだけど、
初めて観るから1番いい席じゃなくていいけど、8千円以内の予算感で、そこそこいい席で
観たいという人のニーズを満たせていないのではないかというのが、今回探していて
感じた印象だ。
結局私はどうしたかというと、他の観劇にしようかとも考え一旦は歌舞伎の検討を
やめたのだが、最初に歌舞伎を観ようと思っていた状態で他のを検討しても気乗りが
しなかったので、明治座の平日公演なら7500円の二等席がペアで空いていることを
確認し、休みを取って平日観に行ったという次第。
この辺、席の料金設定に関しては、かなり難しい問題だとは思うのだけど、固定ファン
以外の新規の人は、他の観劇との比較の中で歌舞伎を選ぶことになるので、
それを意識した料金設定にしないと、選択肢から外れてしまうと思う。
明治座の歌舞伎に関しては、2番目の席が7500円と料金設定自体は適切だけど、それら
一等席以外の席の数が少なすぎて1ヶ月前でも席を押さえることができないのが問題で、
歌舞伎座の歌舞伎に関しては、2等席ですら14000円と、1万円を大きく超えており、
1万円以内の予算で探そうとすると、末席の3階席しかないのが問題、というのがまとめ。
でも、歌舞伎自体は今回初めて観て、母子どもども面白いなとは思ったので、また機会が
あれば観に行きたいなとは思う。そういうご新規さん用の席が増えればと思う。
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